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AliExpressの送料吊り上げセラーとの117日間の戦い。

まず初めに教訓。

AliExpressを利用していたら、噂に聞く追加の送料を要求してくるセラーにぶち当たりました。やり合っていましたが、セラーが発送の登録をしなければならない期限が近づいてきたため、偽番号にもぶち当たりました。これは、そんなクソセラーから数百円を取り返すまでの、117日間の軌跡です。

やり取りは英語です。和文はその際のメモとして、私が意訳したものです。セラーへの印象が変に上がらないように、少し腹立たしい訳し方をしています。

X+1日目 注文から数時間。セラーが追加の送料を支払うか、客都合でキャンセルしろと要求してきた。

日付を跨いだのでX+1日としましたが、注文の数時間後にはメッセージが来ていました。

こんにちはわたしのともだち、本当にすまないと思っているのだが、あなたの国への送料がちょっと高いので、運送業者が追加の送料を要求している、理解してほしい、できるだけ早く返信してください、そうしたら配送を手配できます、これを望まないなら、「another reasons」を理由に選んでこの注文をキャンセルしてください、よろしく。早急に返事してくれよ。

噂に聞く送料吊り上げセラーに初遭遇してしまいました。どうりで安かったわけだよ。

X+2日目 運営にチャットで相談した。

少し放置して様子を窺ったり、考えたりした後、運営を味方にした方が良いと踏み、AliExpressのチャットサポートに連絡しました。要約すると、払わないで、こちらから連絡しておく、たぶんセラーは発送しない、といった返答をいただけました。

運営からキャンセルを掛けるかどうかも訊かれたのですが、ここでは断ってしまいました。後から思うと、これは失敗でした。時間の無駄ですので、ありがたい申し出には乗るようにしましょう。

X+3日目 早よ送れと催促した。

運営側から催促してくれるというので放置するつもりでしたが、バグか何かで他のセラー充てのメッセージが送信されてしまったので、謝罪のついでに雑に早よ送れと催促しました。

X+3日目 セラーの要求が具体的になった。この額を払うか、客都合でキャンセルするか。

運営は催促してくれたのかは定かではありませんが、セラーの要求は具体的な数字や手順を含んだものに変わりました。

こんにちはわたしのともだち。
誠にスイマメーン、商品がデカすぎるので、多くの配送業者じゃ送れません。
配送業者は追加でx.xxUSDの配送料を通知している。うちの商品は市場価格よりとても安い。こんないい商品は他に無いと思うよ。同意するのであれば、このリンクから(訳注: 手数料を支払うためのダミーの商品を)注文してくれれば、できるだけ早く配送を手配するよ。もしも払いたくないのならば、「Other Reasons」として注文をキャンセルして我々を助けてほしい。そうすれば迅速に返金します。
幸福あれ。

私がこのメッセージを確認した時点では、今売られている商品の発送方法や商品価格(送料込み)は変更されていました。それと比べて、1米ドル高い金額を提示してきました。クーポン値引きを加味しなければもう少し高いです。当時は物流が混乱している時期であり、目論見通りの送料で送れるとは限らなかった時代だとは思いますが、これはおかしな話です。そもそも他の十数件の注文は、こういった事も無く届いています。狙ってやっていると考えるのが妥当でしょう。

また、セラーが取引条件を変更しようとしているのだから、キャンセルをするのであればセラーの都合として行うのが筋です。それをせず、客都合でのキャンセルを要求しています。これを飲むと、私のスコアリングが下がるはずです。これは避けなければなりません。

ところで、この時点になり初めてセラーの評価を見てみたのですが、「90.9% Positive feedback」となっていました。通常は低くても95%はあると思います。注文前に気付くべきでしたし、せめて運営とチャットする前には気付くべきでした。

X+4日目 運営に支払うなと言われたので支払えないと言った。

短めに返信しました。とぼけていますが、運営に言ったんだぞという脅しを掛けています。

I can’t pay for that, because AliExpress Agent said “please do not pay for that”.

X+5日目 セラーは変わらず客都合でのキャンセルを要求してきた。

こんにちはお客様、もしもキャンセルを希望するなら、「another reasons」を理由に選んでください、後ほど返金します、よろしくお願いします、敬具

X+6日目 「セラーが価格を吊り上げた」を理由にキャンセル要求をした。

安かったし、クーポンを使っているし、出来れば送って欲しいのですが、その気は無さそうなのでキャンセル要求を行いました。もちろん理由は「The seller raised the price of this order」です。24時間以内にセラーが対応しなければ、自動で承認されるそうです。

直後に、以下のメッセージも送っておきました。

Buyer reluctantly cancel this order, because seller will not fulfill this trade.

Sellerがこの取引を遂行しようとしないため、Buyerは不本意ながら注文をキャンセルします。

X+6日目 1時間強でキャンセルを蹴られ、客都合にしてくださいとお願いされる。

ここの返信は英文しかメモに残っていなかったのでざっくり書くと、キャンセルの理由を「another reason」にしていただけないでしょうか?すぐに返金します。次回の取引で値引きします。お早いお返事待ってます。といったところ。

いかにも胡散臭いセラーの次回値引きしますなど、誰が信用するのでしょうか。そもそも次回に値引きする余裕があるのであれば、(追加の送料を要求されている話が事実だと仮定したとして)今1米ドルを持ち出しで発送すれば良い話です。

X+8日目 粘り強く正論を返しつつ、再びセラー都合でのキャンセル要求をする。

気分的にはしゃらーっぷ!ふぁっきゅー!とでも言いたいのですが、やりとりは証拠となり得る大事なものなので、淡々と返信します。

You’re charging an additional shipping fee of US $x.xx.
In addition you says please cancel this order from the buyer, if the buyer don’t want it.
So why shouldn’t I choose “The seller raised the price of this order” as the reason for cancellation request?

あなたは追加の送料として US $x.xx を請求しました。
さらに、それが嫌ならば、Buyerからキャンセルしろと言いました。
なのになぜ、キャンセル請求の理由として「Sellerが価格を釣り上げた」を選択してはいけないのですか?

送信後に再びキャンセル要求をしました。もちろん理由は前回と同じくセラー都合です。

これ蹴られたらチャットのスクショ添付して中の人に泣きつこう。

メモにこんなことが書いてありましたが、私も面倒になったのでしょう。ここから11日後まで記録がありません。そもそも英語でチャットをすること自体、誰かに泣きつきたくなりますから。

X+19〜20日目 発送期限ギリギリで発送の連絡が来る。もちろん偽番号の可能性もある。

ところでAliExpressでは、期限内に追跡番号を登録しないと、セラー都合でのキャンセル扱いになってしまいます。それを防ぐためか、この期限ギリギリで発送の連絡が来ました。

ただ、いわゆる偽番号(他人宛ての荷物の番号等)である可能性も高いといえます。追跡番号はUB〜TW(台湾の国際郵便)でしたので、中華郵政の追跡に掛けてみたところ、X+12日に「Receive pre-alert」となっていました。ここから「Receive in transit」になるまで5日要した例がありますので、7日強このステータスのままであっても、この時点ではおかしいとは言い切れません。

ちなみに、China Post Ordinary Small Packet Plusにて発送されるはずが、Seller Shipping Methodに変更になっていました。これ自体はよくある話です。

X+34日目 日本宛ての追跡番号であることを確認した。油断は出来ないが。

中華郵政の追跡を確認したところ、X+23日に下記のステータスになっていました。少なくとも日本に仕向けられた郵便物であることは確認できたものの、私宛てであるとは限りません。最後まで油断は禁物です。

Estimated arrival at destination country
JAPAN

ちなみに、改めてこの商品の価格を確認したところ、相場に近い価格になっていました。改心したのやら、指導が入ったのやら。

X+114日目 納期を過ぎたが、未だに届かないので返金を要求した。セラーは即日承諾した。

追跡番号の通知から95日が過ぎ、不着が補償される(かもしれない)時期がやってきました。急に日数が飛んだのは、これを待つしかなかったからです。商品は案の定届かなかったため、全額の返金を求めてDisputeを開始しました。返金のみを選び、商品を受け取ったか?もNoを選んだ上で、理由には「Purchase Protection is running out, but package is still in transit」を選択しました。Dispute文は下記の通りです。

Buyer claim a refund, because delivery date has passed but item did not arrive.

Buyerは返金を請求する、納期を過ぎたが商品が届かなかったからです。

セラーも全て理解しているのか、即日これを承諾しました。取り上げるほどの内容ではないものの、後ほどメッセージも送られてきました。

X+117日目 返金が履行された。

100日を超える(ほとんど放置していた)戦いの末、全額の返金が履行されました。数百円とスコアリングを同時に守ることは出来ましたが、一方で多くの何かが失われた気もします。せめてこの経験を、ブログのネタにでもしなければやってらんねーよ。